当院の内科は消化器内科と循環器内科を中心に診療しております。その他名古屋大学等の非常勤医師が、肝臓病週1回、呼吸器内科週2回の外来診療を行っています。
消化器内科は消化管(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)や肝臓、胆のう、胆管、膵臓といった臓器の病気の診断および治療をしています。
総胆管結石の患者様に関しては早急にERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)を行い、EST(内視鏡的乳頭切開術)により採石を行っております。閉塞性黄疸の患者様にも黄疸に対する処置であるEBD(内視鏡的胆道ドレナージ術)を可及的に行っております。また胆のう結石症は胆石胆のう炎に関しては、当院外科との連携が良好であり、内科精査後にそのまま外科転科となりスムーズに腹腔鏡下胆のう手摘出術が施行可能です。
2014年より超音波内視鏡を利用した最新の検査診断法であるEUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引生検法)も導入しています。切除不能の膵癌、胆のう癌の患者様にはEUS-FNAを行い病理学的確証を得たうえで化学療法(抗がん剤)の治療を導入するようにしています。
外科では食道・胃・十二指腸・小腸・大腸までの消化管の良悪性疾患、肝胆膵疾患全般の治療、乳癌、下肢静脈瘤・腹部大動脈瘤・閉塞性動脈疾患を扱っています。
消化器癌に対する外科的治療では、ガイドラインに沿いつつ患者様に適した手術を心がけています。
低侵襲手術である腹腔鏡下手術を積極的に導入しており、2018年12月末までに胃癌(現在はStage I, II)109例、大腸癌(術前Stage I~IV、巨大腫瘍・他臓器浸潤例は除く)598例に行ってきました。
当院で過去10年間に手術が行われた胃癌、大腸癌に対する検討では、開腹手術に比べて腹腔鏡下手術の方が、出血量が少ない結果でした。
また、確立された安全な手術手技により、当院のこれまでの腹腔鏡下胆嚢摘出術における胆管損傷の頻度は0.1%と低率です(内視鏡外科手術に関するアンケート調査2018;0.45~0.6%)。
緊急手術においても腹腔鏡下手術を行っており、急性虫垂炎・急性胆嚢炎・イレウスに対する腹腔鏡下手術も行っています。
膵胆道系の悪性疾患は黄疸を有するものが多いですが、内視鏡的逆行性胆管ドレナージ(ERBD,ENBD)、経皮経肝胆管ドレナージ(PTBD)による減黄の後、超音波内視鏡検査(EUS)、MDCTなどにより正確な診断のもとに適切な治療を行っています。
肝悪性腫瘍(原発性・転移性)に対する肝切除術では、MDCTによる画像支援システムを使って、腹部血管構築ならびに予定切除肝容量測定を行い、術前門脈枝塞栓術も併用し、より安全な手術を行うことを心掛けております。また肝切除術以外には、肝動脈塞栓化学療法(TACE)・ラジオ波焼灼術(RFA)なども行っています。
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会の仕様基準を満たしたマンモグラフィ機器の導入後、多くの乳癌検診を受け入れています。1例1例に対し精度管理中央委員会認定の医師・放射線技師による協議読影を行っており、治療もガイドラインに沿った手術・化療を行っています。
2008年4月に下肢静脈瘤・リンパ浮腫・血管センターを開設し、名古屋大学血管外科教室の応援のもと、リンパ浮腫・下肢静脈疾患・閉塞性動脈疾患の診断・治療も行っています。
最近の癌に対する抗癌剤治療の進歩は著しく、手術治療に加え化学療法の重要性が増しています。2008年8月より外来化学療法室を開設し、がん治療認定医および主治医が専任の看護師・薬剤師とともに安全に配慮した抗癌剤治療をガイドラインに沿って行っております。日本がん治療認定医機構がん治療認定医は2名在籍しております。
消化器癌、乳癌に対し担当医が、病状、全身状態を考慮し患者様と相談の上、手術、抗癌剤治療、血管塞栓術、ハイパーサーミア、高気圧酸素治療、放射線治療等を集学的に行っています。放射線治療,ハイパーサーミアは他施設(愛知県がんセンター,メドック検診センター)と連携し行っております。
平成26年6月より患者サポート相談窓口を設置しております。患者さま、ご家族さまが抱えている不安・心配など、様々なご質問・ご相談について、どうぞ遠慮なく何でもご相談ください。
セカンドオピニオンとは、患者さんおよび家族が治療の進行状況、次の治療選択などについて、現在診療を受けている担当医とは違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることです。他の専門医の意見を聞くことにより、患者さんが納得した治療方針を選択することができます。
当院から他の医療機関へのセカンドオピニオンを希望される場合、遠慮なく担当医師にお申し出ください。可能な限り、速やかに紹介資料を準備させていただきます。
一般社団法人National Clinical Database
( ▲ NCD患者様向け説明のページ(PDF)がご覧いただけます。)
2016年・2017年・2018年における腹腔鏡下手胃癌術の割合は、29%,57%、27%。
2016年・2017年・2018年における腹腔鏡下手術の割合は、結腸癌77.5%、56%、51.7%.直腸癌82.6%、81.5%,76.2%でした。
a. 合併症
合併症は大腸癌切除症例(680例)の内、主な合併症はSSI 4.1%(ドレーン感染・腹腔内膿瘍、創部感染など)、イレウス4.4%、縫合不全2.8%(結腸切除1.5%、直腸切除5.6%)、呼吸循環器系1.1%などでした。
b. 結腸癌490例各病期別の5年生存率(2009年から2017年)
急性胆嚢炎はガイドラインに従い,全身状態が許せば緊急または早期の胆嚢摘出術を行っています。
炎症のない胆石症にくらべ急性胆嚢炎症例では手術の難易度は高くなりますが、当院では低侵襲な腹腔鏡下手術を急性胆嚢炎症例の98%に対し手術を行ってきました。
平日および第1,3,5週の土曜日午前中に鼠径ヘルニアの診察を行っております。
ヘルニアの種類(鼠径ヘルニア以外の腹壁瘢痕ヘルニアなども対応)、全身状態、既往歴に応じて、患者様と相談しながら最適な手術方法を選択してまいります。
症状にお心当たりの方はお気軽にご相談ください。
全身麻酔下で完全に眠っている状態で行う手術です。当科では、術前検査で心臓や肺などの機能が大きく低下していない限り、まずはこの手術をおすすめしております。腹腔内からヘルニア門を閉鎖する方法です。キズの大きさは5-10mmが3個所です。
また、当科では内鼠径症例や女性の鼠径ヘルニア症例など、症例を選んで腹膜外経路法:TEP法も施行しております。手術時間は1-2時間です。
局所麻酔+静脈麻酔下に行う手術法です。基本的には眠ってしまいます。
体の表面、腹壁側からヘルニアの穴を塞ぐ方法です。
鼠径管を開き、精索(輸精管、精巣動静脈)の下にある穴をポリプロピレン製のメッシュで閉鎖します。手術時間は30-60分です。キズの大きさは約5cmです。
消化器癌、乳癌に対し担当医が、病状、全身状態を考慮し患者様と相談の上、手術、抗癌剤治療、ハイパーサーミア、高気圧酸素治療等を集学的に行っています。
ハイパーサーミアとは身体の表裏に一対の電極をセットし、身体内部に高周波電流が流れ、そのジュール熱により患部の温度を上昇させる仕組みです。
42.5℃以上になると“がん”細胞は死んでいきます。しかし、“がん”細胞の周囲にある正常な細胞も温められて死んでしまうのではないかと危惧される方も多いかと思います。正常組織では、がん組織と同じようには温められても、血管が拡張して血液がいっぱい流れることによって熱を運び去ってくれるのです(一般社団法人日本ハイパーサーミア学会ホームページより)。
方法;がんのある部位を30~60分、42~43℃以上に加温する方法です。
頻度;週1回を目標に施行
費用;高周波を用いたハイパーサーミアは診療報酬制度で認められた保険医療サービで保険点数は一連(2-3カ月)で深部加温では9000点(9万円)、浅部加温では6000点(6万円)となっております。
当院にはハイパーサーミアを行う設備がなく、近医にて施行していただいております。低用量化学療法+ハイパーサーミアでQOL、予後が改善できる症例もあります。
2-2.5気圧の100%高酸素をカプセルに入り約1時間吸入する治療です。1回あたりの治療時間は約1時間半から2時間ほどかかります。悪性腫瘍は低酸素状態となっており、高気圧酸素治療を行うことにより、pHの正常化による抗癌剤の薬理作用の増強が考えられています。
費用;悪性腫瘍に対する放射線または抗癌剤治療と併用される高気圧酸素治療は診療報酬制度で認められた保険医療サービスで3,000点(3万円)/回となっております。
当院には高気圧酸素治療装置(SECHRIST社製 Model 2500B)があります。
当科では現在、3名の常勤医と主に名古屋大学整形外科より派遣される数名の嘱託医が日常診療に携わっています。外傷、変性疾患を問わず一般整形外科に関わる治療を幅広く行っていますが、特に手・肘・肩を含む上肢疾患の多いことが当院の特徴です。
平成19年には手外科学会基幹研修施設となり、名実共に手外科専門病院と認定されました。平成29年度は609件行った手術のうち約70%が上肢の症例で、他施設からご紹介頂く患者様も年々増加しています。もちろん手術ばかりでなく保存治療にも積極的に取り組んでおりますので、手・指・肘・肩の痛み、変形、運動障害でお困りの方や関節リウマチを心配されている方は是非ご相談下さい。
内視鏡を用いた侵襲の少ない関節鏡視下手術や手根管開放術では、従来の手術に比べて術後の疼痛も少なく、日常生活やスポーツ活動への復帰も早まるため患者様にも好評です。また診断においてもレントゲン・CT・MRIに加え解像度の高い超音波診断装置を使用して、負担の少ない診療を行う工夫を重ねています。
当院の特色ある設備のひとつとして、高気圧酸素治療装置(SECHRIST社製 Model 2500B)があります。適応疾患は一酸化炭素中毒、急性脳浮腫、腸閉塞、突発性難聴、顔面神経麻痺など多岐にわたりますが、外傷や皮膚移植後の急性血行障害、蜂窩織炎、骨髄炎、骨壊死、脊髄神経疾患、血流障害による組織壊死など、整形外科疾患治療の一環としても活用の範囲が広く、治療効果も上がっています。最近ではスポーツ外傷など適応外の疾患に対しても自費診療を行っており、東海地区のプロスポーツ選手にも数多くご利用いただいております。1人用チャンバータイプのため治療人数に制約がありますが、疾患によっては数日から1週間程度で効果の得られる場合もあります。通院治療も可能である点を活かして、今後もますます利用を進めていきたいと思っています。平成23年には日本高気圧環境・潜水医学会認定病院にも指定されました。
整形外科治療の一翼を担うリハビリテーションのスタッフは、主に入院や手術後の患者様と老健ちよだの方々の治療に当たっています。広々としたスペースを利用して、早期自立や日常生活への復帰、ADLの維持・向上を目指して精力的に活動しています。
整形外科領域では新薬の登場により、骨粗鬆症や関節リウマチの治療が飛躍的に進歩しています。当科でもそうした薬剤を有効に活用してより良い治療に繋げるべく努力を重ねています。骨粗鬆症を診断するために、骨密度や骨代謝マーカーの測定を行っていますので是非ご利用ください。運動器の障害により歩行や日常生活に支障を来す「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」の予防指導なども行っています。平成27年4月から10床でスタートした地域包括ケア病床は平成29年5月より地域包括ケア病棟となり46床に拡大しました。主に在宅復帰を目標とする患者様が入院されて、骨折など外傷後のリハビリテーション、病後の体力や筋力回復のトレーニング、在宅で悪化した褥瘡の手当などを行っています。当院の外来を受診された方ばかりでなく、他病院からの転院も積極的に受け入れています。病院と在宅療養を結ぶこのシステムを十分に活用しながら、今後も地域の皆様の健康をサポートする役割を担って参りたいと存じます。
脳神経疾患の診断、外来治療を主体に行っています。
脳神経疾患の診断、外来治療を主体に行っています。外来では、受診当日にCT検査が可能です(MR検査は要予約)。ほとんど1日で治療方針までお話できると思います。
全身麻酔の必要な大手術は当院では行っていませんので、第二日赤病院、東部医療センター、愛知医大、名大病院など患者様ご希望の病院に紹介します。一言でいうと「器械・設備・石栗脳神経科クリニック」と考えてください。また、健診センターの脳ドックも担当していますので、ご利用ください。
氏 名 | 専門領域 | 指導医・専門医・認定医 | |
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石栗 仁(昭和57年卒) 脳神経外科医師(非常勤) |
脳神経外科一般 | 日本脳神経外科学会専門医 日本脳神経外科コングレス |
「言葉と会話を大切に、医療面接を丁寧にと心がけること」「医師自身が受けたいと思う診療、自分の家族に受けさせたいと思う診療を、すべての患者様に提供すること」をモットーに診療を行っております。